9)「茅の輪」は、引き抜いちゃダメなの。
茅の輪は、引き抜いちゃダメなの。
きのう、京都の北野天満宮で、大勢の参拝客が「茅の輪」から茅(ちがや)を引き抜いてしまいました(驚!)。 これは誰かの勘違いからくるもので、作り立ての茅の輪が、あっという間に「輪」でなくなり、上部だけが無残に残って「茅の輪むしり」なんていう言葉が生まれてしまうありさまでした。これでは「茅の輪くぐり」ができませぬー。
勘違いしてしまった方は、「蘇民将来(そみんしょうらい)のおはなし」にちなんで「茅の輪」を玄関先に吊るして厄除けをしたかったのだと思いますが、「茅(ちがや)」を持って帰っていいのは、「持ち帰り専用」の茅(ちがや)を用意されている神社だけなんです。みなさま、どうかそこにご注意くださいませ。
おそらく、無知な誰かが最初に引き抜いて、それを見た方が「そういう風習なのか。」と右へならえになったのだと思いますが、大変なことになってしまいました。
知らない方のためにお知らせすると、「茅の輪」は「輪っか」であることが重要で、これから行われる大切な神事に必要なのです。大勢の方が、この茅の輪をくぐって穢れを祓うはずでした。 もちろん悪気はないと思いますが、茅の輪から直接引き抜くというのは、他の方のことを考えていないことになり、「開運とは反対の行為」をしています。それに、どなたかが作ってくださったものを、いきなり自分が壊している、ということに気づけないのも残念です。
心当たりのある方は、拝殿で神様に「知らずにしてしまいました。申し訳ありませんでした。以後気をつけます。」と謝りに行きましょう。おそらく、謝りに行くと行かないとではその後の展開が大きく変わるはず。ご自身もスッキリされると思いますし、次回からはきちんとマナーを守れるようになるでしょう。
でもこれがニュースになったことで「茅の輪から直接引き抜いちゃダメなんだ。」と大勢の方に知ってもらえたのはよかったですね。神社でのマナーは、「他者を思いやること」をものさしに考えればいいと思います。
6月30日に行われる「夏越の大祓」。 くわしい方法を「大祓」解説シリーズで解説していますので、よろしければご参考になさってくださいね。
「大祓」解説シリーズ:まとめ
1) 誰でも生まれ変われる・年に2度の「大祓(おおはらえ)」とは?
2)「祓い」の由来は日本の神話から
3) 祓い・罪・穢れ(ケガレ)とは?
4)「夏越の大祓」とは?(全体の流れについて)
5)「夏越の大祓」とは?(形代の作法について)
6)「夏越の大祓」とは?(茅の輪のくぐり方)
7)「夏越の大祓」当日に参加できない場合
8)「大祓」解説シリーズ:まとめ
9)「茅の輪」は、引き抜いちゃダメなの。
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